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電子出版に思う2

 先日テレビのニュースで、作家の名前は覚えていないが、出版社から全く相手にされなかったのに、自ら電子出版のサイトに掲載したところ、評判が評判を呼び、ベストセラー作家になったという外国人が出ていた。

電子出版にもいい面と悪い面があると思うが、悪い面はどんどん是正されていくはずなので、いい面を見ていく方がいいと思う。
 そういう意味では、書籍を多量に携帯でき、なおかつどこでも新しい本を手に入れることができるというのは、夢のような話だ。どんなに映像が利用しやすくなろうと、文字で描かれた作品が無くなることはない。それは、ビデオがいくらきれいになっても、静止画として写真が無くなることはないし、絵画が無くなることもないのと一緒だ。
 淘汰されるジャンルではないと思う。書籍類が淘汰されるとしたら、人類は完全に滅亡への道を歩いているはずだ。

 よく「紙のにおいが」とか、「本のぬくもり」とかを理由にキンドルのような電子メディアを好まない方がいるが、それは好みの問題なので仕方がない。だが、そういうノスタルジックな理由を除けば、あとは画面が見にくいとかかさばるなどの物理的に解決できる部分がほとんどなので、遠からず紙とタブレットが入れ替わるに違いない。もちろん、レコードがCDに変わったほどの劇的な変化はないと思うし、紙の本が完全いなくなると言うことも、(無いとは言い切れないが)ほぼ無いだろう。紙には紙の利点もあるからだ。・・・遠い将来は解らないが。

 洗濯は洗濯機でするとか、朝起きたらテレビを付けるとか、少なくとも自分の親の世代が生まれた時期には、ほとんどの世帯が持っていなかったような利器が、今では常に目の前にある。同じように、本も新聞も、タブレットで読む時代が来る。というより、既に来ているわけで、ただそれが当たり前になるためには時間がかかるだけのことだ。

 書籍の値段は間違いなく下がるし、最後の1章を除いて全部ただで読ませるといったサービスも出てくるだろう。リンクを使って、あちこちとばし読みして、ストーリーを継いでいくような、ゲーム的な要素の高い作品や、同じテーマの作品を一気に読めたり、翻訳ソフトが十分に使えるレベルになれば、海外の書物も、翻訳家の翻訳を待たずに普通に読めるようになるかもしれない(今のレベルでは、そういう時代が来るかは不安だが)。

 いずれにしても、ここで想像すらできない方法が当然あり得るわけだ。

 何より改善が望まれるのは、やはりバッテリーで、これがどれほど保つのか、あるいは予備がどこでも手に入るのか、太陽電池などを内蔵して、電卓などのようにコンセントレスで駆動できるようになるのか、実は紙の本では起こりえないようなトラブルこそが、最もネックになる。
 本は、例えばどこかのお店に置き忘れてしまっても、最悪また買えばいいというレベルだが、ハードがそこまでの値段に落ちるか解らないし、中身にことも考えれば、非常に高価なものになる。ただそのあたりは、蔵書のクラウド化みたいなことが、一つの解決策なのかもしれない。いずれにせよ、ネットワークが鍵を握る。

 PC内に取り込んで引用したい場面もあるだろうし、せめて夫婦や兄弟など、あるいは近しい友人間でくらいは共有したいに違いない。それらの規制を全てかけると、むしろ文化としての広がりを阻害していく恐れがある。
 不特定多数に、共有ソフトで音楽などを配るのは問題があるとしても、友人間の貸し借りなどは、あまり規制すべきではないし、デジタル放送などが行っているコピー防止策も、ひいては自分たちの首を絞めることになる。
 書籍も同様だ。私が初めて本を読みたいと思ったのは、友人が貸してくれた偕成社と言うところから出ていたSFシリーズのおかげだった。彼がそれを貸してくれなければ、本嫌いのままの人生だったかもしれない。少なくともこれまでに私がSFに対して投資した多くが、出版社に入らなかったかもしれないのだ。

 著作権を守るにしても、守り方というのが大切になる。
 電子書籍は、そういった不安も抱えつつ、だが遙かに期待すべき部分が多いメディアであると思うのだ。


 
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